走りに関してどんなバイクにしたいのか、という願望は皆様もあるとは思いますが
その大事な部分を司っているのがこのキャブレターと言っても過言ではありません(´∀`)
『走りにや味にこだわりたい』、『調子が悪い』、『もっと速く』、理由はオーナーそれぞれで違うと思いますが
キャブレター本体は勿論、セッティングによっても『力強くなった』、『荒々しくなった』、『落ち着いた感じ』など
『バイクの性格』というものは変わってきます(o^―゜)b
見た目も大事だけど、中身も大事という欲張りさんは是非トライしてみてください( ̄▽ ̄)
キャブレターのセッティングはアクセル開度により、基本的にミクスチャー、スロー、ニードル、メインの4つに分類されます。
ミクスチャー:アイドリング
スロー:~1/4(低回転)
ニードル1/4~1/2(中回転)
メイン1/2~全開(高回転)
と言った感じです(o^―゜)b
ゼロ発進時直後の調子が悪いのにいきなりメインジェットをイジってもあまり効果は得られませんが
しかし、これらのジェットは互いにオーバーラップしているので全く変わらないワケではありません(o^―゜)b
しかし低速の調子を良くしようとしたら、結果的にメインジェットまで触らないといけなかったといったことも多く、
これは文字通り、トライ&エラーの繰り返しで経験を積むのが一番かと思います(´∀`)
それではまずミクスチャーから(゚∀゚)人(゚∀゚)
ミクスチャーはキャブレター本体の真下にあたる部分にあります。
しかしこのミクスチャー、国内では排ガス規制の関係から本来は扱えないようになっています。
出荷時はボディと同色で蓋がされているので見た感じは全くわからず、パーツリストにも記載されていないパーツなのです。
アクセスするにはドリルで穴を開ける必要があるのですが、キャブレターのボディはアルミで出来ており、
トルクの弱い小さなドリルでも数分あれば簡単にアクセス出来ます。
逆にトルクの強いドリルは勢い余って内部のスクリューまで傷つけてしまう恐れがありますので小さなドリルが理想的です(o^―゜)b
フロート室(下記参照)を開け、キャブ本体を真下から見た写真です。
ミクスチャースクリューのセッティング方法はエンジンが完全に暖まってる状態でアイドリングします。
キャブレターが完全に装着されている状態のまま下側からスクリューをクリクリ回し、一番回転数が高くなったトコロがベストです。
仕組みとしては締めると(ガスが)薄くなり、開くと濃くなります。
完全に締めるとガスが出ないのでエンジンが止まります。
開けすぎるとプラグがカブりますので、回転数がそれ以上上がらないというポイントを見極める必要があります。
コツとしてはやみくもに回さず、1/4ずつ調整すると後の把握が容易です。
『一番締め込んだ状態から3-1/4回転』とか『ガスが薄いからあと1/2開こう』って感じですね(´∀`)
スクリューから出ているマイナスドライバーの先を見れば簡単に把握できると思います(o^―゜)b
片方に目印をつけておくと目印無し→目印つきまで1/2回転、目印つき→次に目印が見えたら1回転という感じです( ̄▽ ̄)
因みに純正のエアクリーナーは下部のエアダクトが非常に邪魔になりますので
所持している工具によってはエアクリーナーを外さないとかなり厳しい場合があります。
必要な場合はエアクリーナーの脱着を行なって調整を行なって下さい。
続いてスロー&メインジェット(・∀・)
この2つはキャブレター下部のフロート室という部分に一緒に入っており、作業内容も全く同じです(o^―゜)b
作業の前に、可能であればガソリンコックをオフにした状態で、エンジンが止まるまでアイドリングさせて下さい。
これはフロート室のガソリンを抜くのが目的で、フロートを開けたと同時にガソリンがこぼれるのを防ぐためです。
ただし周囲の環境もありますので、無理な場合はプッシュロッド下部のタペットブロック周辺にタオルを敷き、
ガソリンを入れられる容器(空き缶など)を用意してフロート内のガソリンがいつ出てきてもいいように準備をしましょう。
キャブレターを下から見るとプラスドライバーで四角に固定されている部分があります。
ここがフロート室と呼ばれる場所で4本のボルト(46番×4)を外したらカバーが外れます。
右側の3本(22番)は加速ポンプのボルトなので今回はノータッチで(・∀・)
カバーを外すとメインジェット(9番or57番)とスロージェット(29番)が顔を出しますので
必ず適合サイズのマイナスドライバーで交換、といった感じです(o^―゜)b
続いてニードル。
こちらはトップカバーからのアクセスになるためキャブの脱着、若しくはそれに近い状態まで外すことが必須になります。
とりあえずキャブを完全に外した状態でお話を(´∀`)
トップカバーの4本のボルトを外し、トップカバーを外します。
キャブレターの(正面から見て)右側にスロットルホルダーがついており、右奥のボルト(53番)がホルダーと共締めされています。
同時にこれがトップカバーの押さえの役割も果たしていますのでボルトを外してもカバーが外れにくい場合があります。
そのまま無理にトップカバーを外すと中のピストンスライダーを傷つける恐れがありますので、
外れにくい場合はスロットルホルダーのボルト(37番)を緩めてトップカバーを丁寧に外して下さい。
※37番のボルトは軽く緩める程度にしましょう、完全に外すと再装着が非常に大変になります( ̄▽ ̄;)
トップカバーを外すとスプリング(28番)が出てきますので外します。
続いてスライダー(51番)を本体から外すと一緒にニードル(31番)がついてきますので
スライダーを逆さまにして白いスプリングシート(52番)とニードルを取り出します。
※スプリングシートはスプリングについてくる場合があります、紛失に注意しましょう(o^―゜)b
ニードルにクリップがついているのでペンチで外して任意の段数にセットします(´∀`)
クリップを上げると(ニードルが入り込むので)薄くなり、下げると濃くなりますが、ニードルに関してはクリップ1段でも大きく変わります。
『薄いかな~』と思って一段下げただけなのに、今度は真っ黒でマトモに走れなくなったなんてこともよくあり、
ニードルを調整した後はスローやメインも同時に調整しなければいけないということを頭に入れておきましょう( ̄▽ ̄;)
また、車種によってはクリップ段数がついてない場合は、同じサイズのフラットワッシャーで嵩上げ&調整すると良いでしょう(o^―゜)b
再装着の際の注意点としてトップカバーでピストンスライダーを挟んでいないか、
キャブレターとマニホールド間のシールリングがキチンと入っているかをシッカリ確認してください。
これらが挟まれたり破れたりするとマトモに走れなくなりますので確実に再装着して下さい(o^―゜)b
加えて元に戻す際のオススメ業を一つ(・∀・)
頻繁にキャブレターにアクセスされる方は今回外したフロート、トップカバー、スロットルホルダーのボルトを
ストックのスクリューからソケットヘッドスクリューに交換すると良いでしょう(´∀`)
ストックは非常にナメやすく一度ダメにしてしまうと作業スペースの関係上、キャブレターを完全に外しての救出になってしまいます。
純正キャブレターは日本製のため上記は全てミリ規格になっています、お近くのホームセンターで簡単に手に入るでしょう(´∀`)
ソケットヘッドに交換したら、今度はオーバートルク(締めすぎ)に注意して下さい。
トップカバーの右奥のボルト(53番)は他の3本に比べて少し長いので注意してサイズを選びましょう(o^―゜)b
基本的なセッティングは以上ですが、更にセッティングや走りを煮詰めたい場合は
サンダースライドのようにニードルホルダーやスライダーの交換など、相当奥が深いです。
これらの説明はリクエストがあればアップしていこうかと思っています( ̄▽ ̄)